13 November 2005

ひとの自立と図書館 竹内さとる

4906563953ひとの自立と図書館―竹内さとる@4DD0@講演集〈1〉
竹内 〓@4DD0@

久山社 2004-02


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著者
竹内さとる氏は
  折
  心 ←こういう字です。


「図書館のめざすもの」という本で,司書になりたてのころ,知った。
その当時と今年と,講演を聴く機会があり,出掛けていってよかったと思う,図書館人としても,講演者としても,優れていらっしゃる方。
尊敬すべき先輩,というより「先生」。
図書館の話が図書館学になって,哲学になってさえいるような,にじみ出てくる人柄というか,論と知を持った方というか,知識人ってこういう方のことを指すのだと感じた。けれどインテリの枠にも囚われていない自由さも兼備している。
エンターテイナーが,見る者に飽きさせないような舞台を繰り広げることも素晴らしいのだけど,それとは異種のものでありながら,魅力をあふれさせていることを同様に感じる。ダイナミックさも機微も併せ持ち,引き込まれてしまう。

その講演集が,この「ひとの自立と図書館」。
図書館も,病院・学校・刑務所など同様,ある種の情報を得られるところであり,それによって,自分がどうするかを判断し,自分を決定付けてゆけるために有効な場だということ。いや,「情報」と言ってしまうと少し狭い。
著者の「はじめに」ではこう表している。

……はじめのうちは,聴いてくださる方々がそのテーマについて自ら考えるための材料の提供,と考えていました。(中略)それだけでなく,今私が本当に伝えたいと思っていることは何なのか,それについて自問自答するようになったのです。あるいは『図書館のめざすもの』という本を出したことが影響したかもしれません。その問いかけは結局「図書館は人間にとって何なのか」ということになります。そして私にとって図書館とは「ひとが生きることを援助する」ことを目的とする機関であり,具体的な活動として「ひとがものを変えることをたすける,つまり考えるための材料を提供する」ことを専門とすることになります。つまり図書館の中で図書館のことを考えるだけでなく,もう一つそれを突き抜けたところで図書館のことを考えよう,というわけなのです。

図書館を「情報を得られるところ」としてしまうのも,惜しい。たとえば私は,病院や公園や広場のように(教会のようにでもいい)公的な場として,そこで考え事をしたり,どこにも属さない者として存在を許される放浪者としている瞬間を,確保できることが,有用でもあると思っている。
そういうところは,身の回りに随分と少ないのだけれど。

お勧め度☆☆
講演集であるけれど,講演自体の方が更にお勧め。
・図書館のめざすもの
・公立図書館のこと
・「ちびくろサンボ」問題 を軸に話されている。

482049709X図書館のめざすもの
竹内 哲

日本図書館協会 1997-09


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