幸福になるため生まれてきた マリ・ボエル著
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「がんばれ、自分! 」のような啓発書*1は、手にするのはちょっと気恥ずかしい気がするけれど、それでも読みたくなるときもあるのだから、仕方ない*2。
前向きになれるハウツー書でもないし、「幸せ」を定義しているわけでもない、どちらかというと、ここで言っている「幸福になる」というところは、「心理的に不幸であることから脱出する方法」なのだ。
だから、現実を直視せずに気分だけハッピーになれと言っているのではなく、様々な現実から生じた自分を不幸にする気持ちに囚われてしまわずにいられるにはどうすればいいか? というキーを教えてくれているように感じる。
Chapter3 《罪悪感を手放す》より
「あなたは完璧である必要はない 他の人たちもまた完璧である必要はない」
私たちは、あまりにしばしば、進化したいという思いと、完璧でありたいという思いを混同してしまいます。
もちろん進化したいという思いが、完璧になりたいという思いにさせられていることは事実でしょう。
でもそれが、「ねばならない」という思いになったとき、私たちはむしろ進化することができなくなります。
無力感の中に閉じ込められることになるからです。
「幼いころ、あなたが愛されなかったとしても それはあなたが愛されるに値しなかったからなのではない」
幼い子どもは、あらゆることを自分の責任だと考えてしまいます。たとえば、両親が自分を放っておくのは自分が悪い子だと考えるのです。
でも両親が子どもを愛せないのは、子どもが悪いからではなく、彼ら自身の育てられ方に問題があったからにすぎません。
一節一節は、こんな具合に、短い教えと補足説明によって成り立っていて、それを麗しい装丁による、ゴージャスかつ落ち着いた雰囲気で包んでいる。なんとなく、聖書の一句を引きながら、穏やかなシスターが導いているような気持ちになる。
この中のすべてを《教え》通りに実践していくといった、堅苦しい強制ではなく、どうすればリラックスして、嫌な気持ちに引きずられずに、毎日生きていけるか? という拠りどころになりそうな、一服の紅茶とクッキーのような、自分を見返すための鎮静効果のようなものになる。
書かれていることも、読み手が想像力を自由に補って考え、受け止められるような工夫した書き方だと思う。上の例だと、「幼いころ、あなたが愛されなかったとしても」と言いながら、補足部分では、"幼い子どもは”と一般化して言い換えている。
読者の誰かがある思いに囚われてしまっていることがあったとして、その過程に対する応えは、もっと外からみた客観的な事実としての例示。補足と《教え》の間を、自分の問題に当てはめて、想像で補って埋めていくのは読者だし、その読者も、「たとえば両親が自分を放っておく」の代わりに、何か自分の身に起きた別のことを入れることもできるような余地を作った言い方をしている。
人によってつまづいているところは違うので、読みたいページも反応するところも違うはずだが、精神的になにかに囚われて、ほどけないようなときに、ヒントになることは多いはず。
サブタイトルに惑わされずに、自力でなんとか解決法をさぐるヒントの本なので。
自分も周囲もきちんと受け止めて自立していられるように、余計なものに囚われて抜けられなくて困っているなら、それを取り除けるような心理への道しるべが見つけられるような本。
お勧め度☆☆☆☆
全部をキチンと読まずに、読みたいときに読みたいところだけ引いてみるようなバイブル的な本です。読んでいる途中で、"自分がそんなにも幸福でいられるとは思ってもみなかった、無理! ”とさえ感じたほど望みの高い本でした。
でも、きっと当たり前のように解放されている人には分からないし、"なぜそこでつまづくの? ”と思う部分もあったので、つまづきやこだわりは、それも個性の一つなんでしょう。
宗教にはまる前に、これを読もうね*3、という本。
- 注1中学の時、普段は全然本を読まないクラスメイトが読んでいたので印象的だった。そういうジャンルを読みたくなる頃合いってある。
がんばれ女のコ! (〔正〕)
あだち充
学研 1984-12
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- 注2でも、読んでいることは内緒にしたい
- 注3ちょうど宗教勧誘されて怖くなっていた頃に読んだ。
あっ、でも出版社は「幸福の科学」って、これも宗教団体か(-_-;




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