睡蓮の池 アニカ・トール著 菱木晃子訳
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ステフィとネッリは姉妹。
ステフィはスウェーデンのある島から本土の中学へと進学する。
島には養父母が暮らす。
姉妹は、スウェーデンの「子どものみ受け入れる政策」によって、ドイツに併合されたウィーンから預けられ、やってきた。
妹とは別の家庭に受け入れられたが、養親とも慣れ、愛情を感じられるようになったころだった。
中学へ進学を希望していたステフィは、養父母の家からは経済的には進学は難しかったのだが、夏の間、別荘として島の家に避暑に来ていた医者の家族と出会い、下宿先として援助してもらえることになった。
その、都会〈イェーテボリ〉*1での中学生活の様子がこの『睡蓮の池』。
睡蓮の池とは、進学した学校の近くにある、ステフィにとって心の拠り所になる大切な場所。想いを寄せている下宿先の息子に教えてもらった場所だったから。
原作では四部作になっているそうで、第1巻が『海の島』。3,4巻は未訳。
お願いだから、早く(そして丁寧に)訳してください→訳者さま。
私はこの本から読み始めたせいか、1巻よりこちらの方が印象深かった。
主人公はユダヤ人ということで難を逃れて移住して(というより疎開という感じがする)きたのだが、テーマは迫害物として読むよりも、そういう状況下に置かれた少女の成長物語*2として考えたほうが合っている。
この著者、素材の使い方がとっても巧い。
イェーテボリという街も、ステフィやそのクラスメイトの数人もそれぞれ、生々しい感じがして、とかく生気を感じるのだ。
お勧め度☆☆☆
'ああ、ユダヤ人の迫害モノね’とは読まないでほしいと、たぶん著者が願っている気がする言葉遣いなのだ。それよりもたぶん、'イェーテボリに暮らしていた少女の物語’として、町への愛情を感じる。そのなかで、'この町には、大戦中にこんな少女も暮らしていたのよ’というフィクションを作り上げたところに魅力の軸足があると思う。もちろん、スウェーデンの微妙な「中立政策」や「ドイツ圏でのユダヤ人迫害」という歴史的事実を踏まえてはいるけれど。
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後に第1巻『海の島』を読む。
私は、第2巻の方が(先に読んだからかもしれないが)好き。*3ステファの「中学時代」という時期がいいのかも。姉妹の、(ウィーンでの)ドイツ語→スウェーデン語という言語環境の変化が、年齢によって違う点も、なんだか共感できる。*4
☆☆☆にしたけれど、ぜひとも12歳前後にこういう本を何冊も読める環境にいたいと思う。その年齢付近の子が来る図書館なら☆☆☆☆☆で置いてほしいなあ。









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