ひゃくはち 早見和真著
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スポーツ物+学園青春モノといったところか。
甲子園を目指す熱い高校生たちの、なんだか生々しいドラマ。
「甲子園」「男子高校生」というものをモチーフにした、けれど「清々しい」とか「夢・青春」という先行するもののイメージで括ってしまうにはあまりに人物を書き込みすぎている、という良さがあるのだ。
『ドカベン』が、少年たちの生活の背景まで社会層の中でどういう家庭があるかということを含めて描かれているように、『ひゃくはち』では、とある神奈川の私立高校に特待生ではなく一般で入った野球部の二人の少年を軸に、甲子園に行けそうで行けなかった3年生の後を引き継いだところからストーリーが始まる。
何十人もいる野球部で、ベンチ入りできるかどうかのギリギリにいる二人。そのあたりが主役というところからして、天才的なピッチャーやバッター(やキャッチャーでもいいけれど)が異色の組み合わせや経緯で、勝利をつかむために努力し、勝ち上がっていくといった定番を外していて、甲子園モノを読むとは別種の面白さがあるし、より身近にさえ感じる。『ドカベン』のころには、全国の土地土地の、または階層の生活を背負っている少年たちがリアルだったのだろう。けれど、コンテンポラリー・高校野球なら、こうだよね? と思うのはこちら。しかし、このストーリーも、甲子園は過去の思い出として、時間としては社会人になった現在から書かれているのだけれど。
さわやかな少年たちの夏にもしてほしくないし、読後感のいい清涼感にもならない。
でも、青春の「ほろ苦さ」というか「甘辛さ」というか、どうしても許せない潔癖さも、貫きたいことを貫いたことによるその後の支えになるような自分の土台作りという観点でも、十分にすばらしい青春ものとなっているのだ。
お勧め度☆☆☆
高校野球って、ベンチ入りメンバーはこうなっているんだ・・・と、妙な感心をしてしまいました。映画化されるらしいけれど、「パッチギ」風にしてほしいなあ。「ウォーターボーイズ」というよりも。








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